万代書店セレナーデ

「金がない時こそギターを握るのがプロフェッショナルってなもんだ!」

とオレの師匠はおっしゃっていた。

んー、間違いない。

間違いないけど現実問題、結果とはすぐには出てこないもので…

筋トレも美容も、無駄とも言える努力の積み重ねの結果が、明日の自分を作るわけで…

と、まあそんなこんなで今見事に金がない。

今日に限ったことではないが、来るべきクソッタレの未来のために、俺は今万代書店の喫煙所で査定が終わるのを馬鹿みたいに待っている。

着ない服、いらない者、使わないエフェクター、見た事も使った記憶もなかったようなオモチャの数々。

二束三文でもいい!

何かギターの弦に変わるくらいの値段にはなってくれと、ヤニくさい口でため息を吐き出す。

ギターはもちろん握っている。

鳴かず飛ばずのお陰で曲はそれなりにできてはいる。

だがしかし!!

金がない時は正直に金がないというのも、その道のプロフェッショナルなんじゃあないのかなと…。

言い訳にもならない言い訳をツラツラと並べて、無駄とも言える無駄口をダラダラと足らない脳みそで並べてみては崩してみたりしてる。

あー、金がない…。

査定が終わったみたい。

さて、500円でもいい。

オレの思い出という名の魂達よ。

無駄にならずに終わってくれ…どうか…。