グルングルングルン

 

果てしなく白に近い、真っ白ではない天井には、業務用のファンが音もなく回っている。

深夜の街角、街の寝息が聞こえてくる時間帯でも、ここの前だけはいつも明るかった。

24Hコインランドリーの中は閑散としていて、数分、数時間、誰のか分からない置き忘れの洗濯物が7番目の乾燥機の中に不貞腐れて横になって散らばっている。

缶コーヒーとタバコ、両替機でバラバラに崩した100円玉をポケットに突っ込んで、ジャラジャラ手で遊びながら時間を潰す。

¥100で10分も仕事してくれるんだから、お天道様も商売あがったりだな。

残り10分。

一定のリズムを刻みながら、ブーーンと音を立てながら俺の洗濯物を回しているそれは、時々「ゴトン」という音を立てて、いつ着たのかも覚えていない抜け殻たちをぶん回している。

家に帰ったら何をしよう。

乾燥機は回り続けている。

グルングルン。

明日は何をしよう。

乾燥機は回り続けている。

グルングルン。

あの子は今頃何しているだろう。

乾燥機は回り続けている。

グルングルン。

ブルースを奏でるように、グルングルン、回っている。