ありきたり

「幸せ、うん、僕は幸せなんだけどなんかバカになった気分だよ」

「最高にクールだけど貴方にないのはモラルだけよ」

「お互い様じゃないか、君だって獣みたいな声で愛してる、なんて」

「本当にバカになったようね、ねえ、ところで貴方の名前は?」

「僕の名前?ありきたりだよ、とってもありきたり、君は?」

「お互いにキスはしたじゃないの、ありきたりよ、ありきたりな名前」

「そっか、じゃあありきたりさん、今日は君のママが帰ってくる日だろう?心配させるといけない、送っていくよ」

「いいの、今日はママだけだから、だからお願い、時計も外して、ね」

「顔はいいのに頭は悪いのか、そっかしょうがない、でも時計は外せない、縛られていたいんだ」

「貴方は黙ってる方がかっこいいわ」

「君は黙ってる方がかわいいね」

「ありきたりよ、リズムも感覚も、ありきたりよ」

「ありきたりだね、とってもありきたり」